TOP   ジャパンリーグ   クロスカントリーリーグ   アキュラシーリーグ

 ジャパンリーグ
 
 ■2006パラグライダージャパンリーグ規定
1 概要
1.1 FAI スポーティングコード
・ パラグライディングジャパンリーグ(以下PJLと略す)の競技規定は、FAI Sporting Codeの General SectionとSection7を前提として設定されている。参加選手はその双方を良く理解した上で大会に参加すること。
・ PJLルールとFAI Sporting Codeの間で疑義が生じた場合はPJLルールを優先する。
・ FAI General SectionとSection 7の間で疑義が生じた場合はGeneral Sectionを優先する。
1.2 開催期間
PJLの年度は毎年1月1日に始まり、12月31日に終了する。(これは大会の成績の出る日で管理する)。
1.3 PJLランキング
 PJLランキングにはナショナルポイントランキング(以下NPRと略す)とワールドポイントランキング(以下WPRと略す)の2種類がある。また、それぞれにオープンクラスとシリアルクラス(その型式の半数以上のサイズがDHV(1,1-2,2,2-3)で登録されているか、AFNOR(STANDARD, PERFORMANCE)で登録されているか、CEN(A,B,C,D)で登録されているもので無改造のものを使用している選手とする。機体の登録状況は大会開始時までに判明していなければならない)の2クラスがある。
 NPRはPJL大会におけるPJLの成立条件を満たして成立したタスクの内上位3本の合計点でつけるランキング(つまり国内の大会のみを考慮するもので、同点の場合は本人の参加した全てのタスクから算出した1本あたりの平均点の高いものを上位とする)で、WPRはPJL大会(PJLの成立条件を満たしたタスクのみを計上して得られる大会総合成績)の総合順位および国際大会への日本チーム選手選考方法に詳述する国際大会の総合順位に対して与えられる点数のうち高いほうから3大会(ただし、少なくとも1大会はPJL大会とする)の点数を合計してつけるランキング(同点が出た場合は、参加した全ての大会の平均点の高いほうを高順位とする)である。
1.4  参加資格
PJLへの参加資格は次のものとする。
・有効なJHFフライヤー登録証を所持していること。
・JHFパラグライダーパイロット技能証を所持していること(ただし大会によってはXC技能証がないと参加できないことがある)。
・有効なFAIスポーティングライセンスを所持していることが望ましい。
1.5 PJLへの登録方法
PJL参加希望者は、PJL所定の登録用紙に必要事項を記入し、登録費を添えて申し込みをする。登録受理された時点以降の大会からポイント有効となる。
1.6 保険加入
・各自の責任で、傷害保険に加入しておくことが望ましい。
1.7 PJLタスクの種類
・RACE TO GOAL(ゴールレース)   
・SPEEDRUN TO GOAL(スピードラン)
1.8 PJLランキングポイント計算式
1.8.1 NPRポイント
NPRポイントは次の通りとする。
ポイント=(タスクの得点)×(1+S/100) (小数点以下第2位を四捨五入し、第1位まで算出する)
ここでS:シード係数(PJLとして成立したタスクに参加したシード選手のシード係数値(注1)の合計を成立したタスク数で割った数値)     
(注1)Sの算出の基礎となるシード係数値は下記の通りとする。   
             
前年度のWLR 
1位〜10位
1名につき  2
 
11位〜30位
1名につき  1
 
 
前年度PWCランキング
1位〜30位
1名につき 3
 
 
前年度末時点にCIVLのホームページに掲載されている WPRSランキング 
1位〜50位
1名につき 3
 
51位〜100位
1名につき 2
(ただしPWCランキングとダブった場合はPWCランキングを優先し、3とする)
                                                           
1.8.2 WPRポイント
WPRの各大会におけるポイントは次の通りとする。
ポイント=N×(1+S/100)(小数点以下第2位を四捨五入し、第1位まで算出する)
ここで N=−α√(本人順位−1)+(50−P)
ここで α=(49−P)/√[{(成立したフライトにおける参加者数累計)/(成立した本数)}×0.6−1]
P=30−(成立したフライトにおける参加人数累計)/(成立したフライト本数)≧0
同順位が複数出た場合は同順位者を繰り下げた順位までの平均点とする。 Sは1.8.1 のSと同じ
ただし、20km級以上のタスクが成立(4.16.3参照)した大会の場合は上記の通りとするが、20km級未満のタスクし か成立しなかった大会に対するポイントは(その大会で成立したタスクの最も高い得点)を1000で割った数値をかけたも のに減ずる。
1.9 リーグ表彰
各クラス(オープンおよびシリアル)の年間ランキングから総合の上位3名、女子の上位3名を表彰する。
1.10 エントリーフィ
PJLエントリーフィーは年間¥2,000とする。)
1.11 ゼッケン
前年度オープンクラスWPR1〜30位までの選手はその順位を当該年度におけるPJL大会のゼッケン番号とする。それ以外はPJL登録順の番号を当該年度の固定ゼッケン番号とする。
2 大会開催規定
2.1 大会開催の申請
大会開催の申請には、所定の申請用紙、ローカルルール、エリア地図(5万分の1で予定されているテイクオフ、ターンポイント、 ゴールが記入されているもの)、テイクオフ、ターンポイント、ゴールのコーディネイトの記載されたリストを大会エントリー締 め切り2ケ月前までJHF事務局に提出すること。
2.1 大会開催の申請
大会開催の申請には、所定の申請用紙、ローカルルール、エリア地図(5万分の1で予定されているテイクオフ、ターンポイント、 ゴールが記入されているもの)、テイクオフ、ターンポイント、ゴールのコーディネイトの記載されたリストを大会エントリー締 め切り2ケ月前までJHF事務局に提出すること。
2.2 セレクション
参加申込者の受理はPJL登録選手を優先(実際のエントリーの合計がエントリー枠を超えなかった場合にのみ、空いた分をPJL 未登録者に開放)する(ただしPJLに登録していない外国人選手は除く。またカテゴリー2の大会を除き、そのような外国人選手 は別枠と考え、大会のエントリー受け入れ人数に含まれないものとする)。 参加申し込み者のうち、PJLの登録選手の合計が大会のエントリー受け入れ人数を超えた場合は、まず、受け入れ人数の20%(小 数点以下は切り上げる)を前年度の最終WPR上位から選出し、次の20%(小数点以下は切り上げる)を前年度の最終NPR上位か ら選出し、さらに30%(小数点以下は切り上げる)はPJL大会参加回数の少ないものから優先的に選出(参加回数が同じ選手は30% を超えたとしても全て選出する。ただし、エントリー受け入れ人数を超えない範囲とする)する。最終的に残った枠を選出されな かったもの全員から抽選により選出する。
2.3 大会期間
大会期間は連続した日とする。
2.4 参加人数
大会の選手受け入れ最小人数は50人とする。また受け入れ人数の10%(少数点以下を切り上げる)は女子の優先枠とする。
2.5 ローカルルール
ローカルルールはJHF競技委員会の承認を得る必要がある。ローカルルールは参加選手に事前に広報される。
2.6 応募要綱
各大会主催者が提示する応募要綱に準ずる。
2.7 参加費用
参加費用では次の事柄がまかなわれる。
・幹線道路からの回収
・ターンポイントのGPSコーディネートのダウンロード
・GPSチェックイン
・エリアマップとローカルルール
2.8 ゼッケン番号
・ゼッケン番号は基本的に黒を用い、一文字縦60cm横30cmのデジタル文字とする
・ゼッケンは機体下面の中央、リーディングエッジ近辺に進行方向を上部とし、わかりやすく貼られること
・大会競技委員長はゼッケンに関する色その他の変更事項に許可を与えることができる
2.9 タスクコミッティー
タスクコミッティーは2名の参加選手と大会競技委員長からなる。 タスクコミッティーはタスク内容を、安全面に注意を払いできる限りの情報を集め協議し、その決定事項に関しては、選手全員 の同意を求める必要がある。
2.10 タスクコミッティーの役割
・その日の気象予報に応じた、適切な飛行空域と、テイクオフエリアを決める
・その日のタスクを選び出す
2.11 セーフティーコミッティーとその役割
 セーフティーコミッティーは、選手から3名選考される。セーフティコミッティーはテイクオフ周辺を含めて飛行コース上が危 険なコンディションになったとき、あるいはなりそうなときに、大会競技委員長にそれを連絡する。大会競技委員長はその情報を 基にタスクを続行するかどうかを決めなければならない。ただしタスクを含めフライトを続行するかどうかの最終的な判断は飛行 中のパイロット個人が下す。
 また、タスクコミッティーにより決められた当日のタスク内容が安全に行えるかどうかを確認する。
2.12 大会競技委員長
大会競技委員長は、エリアに精通した人たちからの情報(空中から、地上から)と意見を組み込み、その日に合ったタスク案を 提示することができる。
大会競技委員長は、飛行中のセーフティーコミッティーに状況の変化の確認をすることができる。
大会競技委員長は選手を兼任することができない。
2.13 ブリーフィング
ブリーフィングにはジェネラルブリーフィングとタスクブリ−フィングがある。
2.13.1 ジェネラルブリーフィング
参加選手は、大会主催者が行うジュネラルブリーフィングに参加しなければならない。その重要なインフォメーションは、公式 掲示板に掲示さわる。
2.13.2 タスクブリーフィング
・タスクブリーフイングは気象情報、エリア地図、パイロン写真⇒削除を加味してテイクオフエリア付近で、参加選手全員に対 して行われる
・競技内容は漏れなくタスクボードに記載される
・ブリーフィング終了から、ウインドオープンまでは最低15分間の余裕を持たせる
2.13.3 参加選手の責任
参加選手全員はブリーフイングの内容、タスクボードの記載事項に関して、正しく理解しなければならない。
2.14 結果の表示
・結果の仮発表は、可能な限り早く掲示する
・コンプレインの申し立てはローカルルールに決められた時間内に行う
・すべてのコンプレイン、抗議(プロテスト)を受け付け、結果訂正後、大会競技委員長の確認を受け結果の正式発表とする
2.15 不服申立て(コンプレイン)
コンプレインは訂正してもらうことが目的であり、抗議(プロテスト)を行うものではない。競技中何かに不満を持った場合、 先ず担当役員にその処置につき援助を依頼する。その処置に不満がある場合、選手は競技委員長又はその指定する役員にコンプレ インを行うことができる。このコンプレインは不満があった場合直ちに行い、迅速に処理しなければならない。
2.16 ペナルティーおよび失格
競技委員長は、競技者が競技規則に違反した場合、違反者にペナルティーを科すことができる。
ペナルティーの程度
a)重大な違反はその日のタスクを0スコアーとする
b)スポーツ精神に反する行為は、大会失格とする
ペナルティーは、当該ペナルティーが科せられた日の結果表に記載される
2.17 抗議(プロテスト)
・2.15、 2.16に関する処置に対して抗議がある場合は、競技開始前に行わなくてはならない
・抗議は、ローカルルールに決められた時間内に書面で大会競技委員長に提出しなければならない
・供託金がある場合は、抗議が認められた場合は返却し、認められなかった場合は没収される
2.18 陪審員
陪審員は、大会競技委員長を除くタスクコミッティーおよび大会に居合わせたPG競技委員からなる。ただし、当該抗議に関わ る人間は外れるものとする。
2.19 抗議の処理
競技委員長は、いかなる抗議も遅延なく陪審員に通知しなければならない。
2.20 審査
陪審はいかなる抗議についても、該当するFAI規則およびPJL競技規則に基づいて、双方の意見を聴取する。
2.20.1処罰と決定事項
競技委員長は、結果および審査の概要を、公表しなければならない。
2.21 結果の送付
大会の結果は、JHF所定の大会報告書に、大会において提出された正式抗議と、それに対する処置を付記して、大会終了後2週 間以内にJHFに提出する。(大会順位表には実際に大会に参加した選手だけを掲載し、PJLに登録しているもの、また、オープン クラス、シリアルクラスの区別がわかるように配慮すること)
3 飛行と安全の規則
3.1 航空法
参加選手は航空法に基づき飛行すること。
3.2 運用限界
参加選手は使用機材の運用限界を遵守すること。
3.3 アクシデントとその救助
 参加選手は、アクシデントを起こした場合は即座に主催者に連絡しなければならない。連絡がなく救助が出た場合、救助の要請 があった場合を含め、その救助費用は選手又はその家族が負担する。(ヘリコプターの要請費用を含む)
  なお、アクシデントを目撃したパイロットは可能な限りアクシデントの情報(内容については4.17項参照)を大会主催者に伝え ること。また、アクシデントの救助に協力したパイロットにはボーナスポイントが与えられる。
3.4 保護用具の使用
参加選手は、安全なヘルメット、効果のあるレスキューパラシュート、ハーネスからのパイロット脱落防止装置を大会期間中 装備しなければならない。
3.5 健康管理
・心身ともに良好でない場合はフライトしてはならない
・フライトに支障をきたす薬物やアルコールを摂取してのフライトをしてはならない
3.6 衝突回避
・サーマルにはすでに旋回中のフライヤーと同方向に旋回するように入ること
・飛行中、グライダーに構造上の問題が発生した場合すぐに飛行を取りやめること
3.7 雲中飛行
・雲中飛行は禁止とされ、競技役員、他の選手によって監視される
・雲中飛行とは、グライダーの一部又はパイロットが雲により、第三者からの視界から消えたときのことを言う
・多くの選手が雲中飛行をした場合、競技委員長は競技を中止する場合がある
3.8 バラスト
選手は、水又は砂のバラストを使用することができる。バラストを投棄する場合は、他の選手、第三者に迷惑のかからない範囲 で行うこと
3.9 通信機器
飛行中は電波法に基づき、無線機を使用すること。
4 大会競技規定
4.1 使用機体の変更
使用機体を大会開始後に変更することはできない。万が一使用機体が破損した場合は、大会競技委員長の許可を得て変更するこ とができる。
4.2 ゲートオープン時刻とゲートクローズ時刻
ゲートの開いている時間帯は物理的に参加選手全員がテイクオフできるだけの長さで設定する。目安として(参加人数× 1分)程度。
4.3 最終スタート時刻
タスクがスピードランのとき、最終スタート時刻を設定することが出来る。この時刻を過ぎてタスクをスタートした選手のスタ - 8 - ート時刻はこの最終スタート時刻にスタートしたものとみなす。なお、最終スタート時刻の目安はゲートオープン後、3 0分以内にテイクオフし高度を獲得できずにランディングし、リフライトしても十分余裕がある程度とする。
4.4 再スタート
テイクオフ直後に、ラインの絡み、その他飛行に支障をきたすことが起きた場合は、競技委員長の許可を得て再スタートができ る。ただしタスクがスピードランの場合には時間計測はゲートオープン時間までさかのぼる。⇒削除
4.5 リスタート
タスクがスピードランの場合、スタートラインをクロスして、次のパイロンをクリアーした後、再度スタートラインをクロスし 直してリスタートすることは出来ない。
4.6 リフライト
リフライトを許可する場合には、最後のフライトが得点対象となる。また、最終スタート時刻を設定しなければならない。 ただしタスクがスピードランの場合は時間計測はゲートオープン時間までさかのぼる。⇒削除
4.7 スタート方法
GPSでのスタートは、鉛直方向のシリンダーで作られるラインをクロスすることで確認される。地上での目視物は利用しない。 4種類の方法が用いられる
a)個々の選手が、ゲートオープン時間中好きなときにテイクオフする 正確なスタート時間は、テイクオフマーシヤルがパイロットのテイクオフした時間を計測するか、GPSスタートラインをパ イロットがクロスした時間を用いた計測が可能である。その場合のGPSスタートラインはパイロットがテイクオフすれば必ず クロスする位置に設定される。この場合選手はスタートラインをクロスする前に少なくとも4ポイントのトラックログを残し ておく必要がある。
b)選手個々に空中からスタートラインをクロスする この場合指定されたスタートラインを最後にクロスした時間が計測される。この場合スタートラインは次のターンポイントの 大きなシリンダー(例えば、テイクオフはTPlから10km地点にありスタートの計測はTPlの9kmシリンダーに最後に入っ た時となる)で、ラインをクロスして入った時点から計測が始まるか、あるいはスタートラインは小さなシリンダー(デパー チャーポイントを中心とする半径200〜400mシリンダー)で、時間の計測はセクターを最後に出た時から始まる。
c)決められたスタートオープニングタイムに時間計測が始まり、パイロットはそれ以降にスタートラインをクロスしていかな ければならない。スタートラインはb)の場合と同様な、大きなシリンダー、又は小さなシリンダーを採用する。
d)決められたスタートオープニングタイムから時間計測が始まり、パイロットはそれ以降にテイクオフしていく。スタートの 方法は、タスクブリーフィングで細かく発表される。
4.8 ターンポイント、セクター、GPSを用いたゴールライン
4..8.1 ターンポイント
ターンポイントは、主催者から提供されるGPSコーディネート(座標)とする。ターンポイントリストは大会前に主催者のコ ンピューターから各選手にダウンロードされる。主催者がターンポイントを大会期間中に加算あるいは変更する場合は、タスク ブリーフィングで告知される。ターンポイントは基本的には地上にある、目標物を目安として決められる。使用するマップデイ タムはWGS84が採用される。
4.8.2 セクター

ターンポイントのセクターは、主催者が指定したターンポイントのコーディネートを中心としたシリンダーとする。シリンダ ーはスタートするとき、ゴールするときにも使用されるが、セクターはその方法によってシリンダーの中あるいはシリンダーの 外の場合がある。シリンダーの大きさは、タスクを決定するときに決められる。

 (基本)

・ターンポイントは半径200〜400mのシリンダー
・スタートポイントは半径200〜400mのシリンダー
・大きなシリンダーのスタート方法の場合はそのときによってサイズは決められる

4.9 ゴールおよびランディングエリア
・ゴールは仮想(GPS上)のセクターで、最後のターンポイントからゴールポイントを結ぶ直線と直角に交わる、ゴールポイント を中心にした200〜400mの直線(ゴールライン)、またはゴールポイントを中心とする半径200〜400mのシリンダ ーを用いる
・ゴール近辺に安全に降ろせるランディングゾーンを設ける
・ランディングゾーンの近辺にパッキングゾーンを設ける
4..9.1 ゴールラインとフィニッシュライン
ゴールにはフィニッシュラインを設ける場合と設けない場合がある。
ゴールラインの定義:最終ターンポイントとゴールポイントを結ぶ直線と直角に交わるゴールポイントを中心にした200〜 400mの直線(ヴァーチャル)とする。
フィニッシュラインの定義:地上に引かれた目視できるラインとする。フィニッシュラインを引く場合は、限りなくゴール(GPS 上)の仮想セクターに近く引かなければならない。
4.9.2 ゴールの手順
選手はGPS上のゴールラインをクロスしなければならない。タイム計測はGPSで記録されたデータを採用する。ただしフィニッ シュラインが設けられたときは、フィニッシュラインをクロスするか少なくともその上に着地しなければならない。その場合タイ ム計測は、RACE TO GOALの場合のみトップ10人だけをゴールマーシヤルが計測し、それ以降はGPSで判定する。
4.9.3 タスククローズ時刻
タスクを計測する最終時刻は、タスクブリーフィングで発表され、タスクボードに掲示される。タスククローズ時刻までのフラ イトが得点対象となる。
4.10 ランディング報告時刻
ランディング報告時刻は、安全上の理由からタスククローズ時刻より後に設けられる。参加選手は、ランディング後、可能な限 り早く、安全に関する報告をしなければならない。報告には携帯電話などを用い、主催者が必要性の無い捜索を行わないように配 慮しなければならない。
4.11 帰着申告
帰着申告は、大会参加の意思を示した選手全員が本人自ら行わなければならない。
4.12 タスクの種類
4.12.1 RACE TO GOAL(ゴールレース)
目的はゴールを最初にクリアーすること。スタート時刻は全ての選手に対して同一である。スタート方法は地上又は空中からの 一斉スタートを用いる。
4.12.2 SPEEDRUN TO GOAL(スピードラン)
決められたコースを、最短時間で飛行したものを1位とすることを目的とする。スタートは地上からの場合はゲートオープン中選 手の自由とする。空中スタートする場合は、選手が最後にスタートラインをクロスしたときとなる。ただし、最終スタート時刻が 設定された場合は、それ以降にスタートラインをクロスした場合でも、最終スタート時刻にスタートラインをクロスしたものとみ なす。
4.13 ペナルティー
・雲中飛行を行った選手は、そのタスク0スコアーとする
・ランディング報告義務違反は、そのタスク0スコアーとする
・帰着申告義務違反は、そのタスク0スコアーとする
・旋回方向義務違反は、警告を与える。警告に従はない場合はそのタスク0スコアーとする
4.14 アクシデントの救助
アクシデントの救助に協力した選手に与えられるボーナスポイントは、大会競技委員長が算定する。
4.15 ペナルティーとボーナスポイント
ペナルティーポイントやボーナスポイントは、上記以外のものを含め大会の成績に加減される。
4.16 大会、タスクの成立条件
4.16.1 タスク距離
タスク距離の最小値は20kmとする。
4.16.2 ミニマムディスタンス
ミニマムディスタンスは、ソアラブルでないときに使用しているメインランディングと、テイクオフとの標高差の10倍とする。 ただし最小値は3kmとする。
4.16.3 タスクの成立条件
・物理的に参加選手全員がテイクオフするだけの時間(例、フライト参加人数×1分)ゲートが開いているか、参加選手全員(途 中棄権を除く)がテイクオフした。
・参加選手の20%以上(テイクオフしなかった選手を含む)がミニマムディスタンスを超えて飛行した。
・1名以上の選手が20km以上のフライトをし、なおかつ上位10名の総飛行距離が128km以上となった(20km級以上で の成立)。あるいは1名以上の選手が10kmあるいはミニマムディスタンスの2倍のどちらか長い距離以上フライトし、な おかつ上位10名の総飛行距離がトップの飛行距離をYkmとしたときに(Y+0.6Y×9)km以上となったとき(20 km級未満での成立)。
4.16.4 大会の成立条件
タスクが1本成立した時点で大会は成立する。
4.17 タスクキャンセルとタスクストップ
競技開始後に、天候が急変した場合に、大会競技委員長はタスクをキャンセルすることができる。ただし、タスクがRACE TO GOALの場合で少なくとも一人のパイロットがゴールに達している場合はタスクストップとする。競技委員長はタスクストップと した時刻を記帳し、その時刻までのフライトでタスクの成立を判断する。
4.18 パイロットの救助
選手は、ランディングしたならばすぐにグライダーを絞らなければならない。グライダーを開いたままにしておくということは、 ”救助の要請”を意味する。
アクシデントを確認した選手は、次に挙げる要領で、無線を使ってできるだけ早く大会本部に報告しなければならない
・自分のパイロットナンバー
・アクシデントの発生場所 ・位置の特定(GPSコーディネートを用いて)
・アクシデントを起こした選手の名前、パイロットナンバー
・アクシデントを起こしたパラグライダーの色、種類など
救助を行ったパイロットには、その救助の内容を大会競技委員長が判断し、ボーナスポイントがその選手に与えられる。
4.19 スコアーリング
・計算式は、PJLのスコアリングフォーミュラーを用いる
・大会の総合得点が0の選手には順位をつけない
4.20 タスクボードへの記載事項
a) 一般 :日付、大会名
b)タスク内容:タスクの種類、タスクディスタンス、ミニマムディスタンス、ゲートオープン時刻、ゲートクローズ時刻、 一斉スタート時刻、最終スタート時刻タスククローズ時刻、ランディング報告時刻、帰着申告時刻
c)安全に関する情報:選手無線周波数⇒削除回収無線周波数⇒削除、ランディング報告用電話番号、大会本部の電話番号、指 定地域におけるサーマルの旋回方向
4.21 スコアーリングと計測方法
4.21.1 距離の測定

a

GPSのトラックログを用いた距離測定は、0.1km単位で切り上げられる
b)アウトランディングが認められている場合およびアウトランディングが認められていない場合で緊急ランディングに降ろすこ とが許されている場合は選手の飛行距離は、ベストポジション又は、ランディングした地点で計測される。ランディングした 選手はMARK ENTERファンクションで、ランディング地点を申告しなければならない。ベストポジションがランディングポ ジションより有利な場合はベストポジションによって飛行距離が計測される。ランリポートではMARK ENTERポジションを 申告する。
c)アウトランディングが認められていない場合は最終確認されたパイロン(またはゴール)までを飛行距離とする
4.21.2 所要時間の測定

a

原則として、時間はGPS時刻をもとに秒単位で計測する
b)テイクオフ時刻を計測するテイクオフマーシャルがいる場合、あるいはゴール時刻を計測するゴールマーシャルがいる場合は 各マーシャルの測定した時刻を優先する。
4.22 得点計算式(PJLフォーミュラー)

フライトの得点の計算式は次のもので、小数点以下第1位を四捨五入し整数で表す。 フライトの最高得点は1000点とする。

タスクが1本成立した時点で大会は成立する。
(RACE TO GOALの場合)
 距離得点=1000×(1−g)×(D/Dmax)
 時間得点=1000×g×{(Gl−Ss)/(G2−Ss)}3
 総合得点=距離得点+時間得点
(SPEED RUNの場合)
 距離得点=1000×(1−g)×(D/Dmax) 時間得点=1000×g×(Tmin/T)3
 総合得点=距離得点+時間得点
ここで、
Nf :ゴールした選手数
Nto:そのフライトに参加の意思表示をした選手数
D :本人のフライト距離
Dmax:そのフライトにおける有効な最長距離
Ss :一斉スタート時刻
Gl:最初の選手がゴールした時刻
G2 :本人のゴール時刻
g=0.6×√(Nf/Nto)とする
ただし、タスクが20km級未満で成立した場合には、総合得点にそのタスクのトップ選手のフライト距離を20で割った数値 を2乗した係数ををかけるものとする。

4.23 タスクの証明
・飛行の証明は全てGPSのトラックログで判定する
・参加選手は少なくともひとつのGPSを装備すること(使用できる機種は主催者の指定しているもの)
・参加選手は、GPSを正しいパラメーターにセットすること
・参加選手は、帰着申告の際その日の飛行のトラックログをGPSからダウンロードすること
4.23.1 原則
 タスク証明のデータソースは各選手が使用した一つのGPSのトラックログに限られる。二つ以上のGPSログを繋げてひとつとす ることはできない。
 ファイルや、外部からGPSにダウンロードしたもの、その他のデータソースはタスク証明のデータソースとしては使用されない。 指定メーカーのデータロガーのデータもタスク証明のデータソースとして使用されるが、デー夕ロガーのデータソースの有効性 を確認するために、そのデータロガ一に接続していたGPSのトラックログを求めることがある。
4.23.2 有効なGPSデータ
有効なトラックログとは
・トラックログは少なくとも2分間、5ポイント以上の連続したものをターンポイントのセクターの前後に残さなければならない。
・トラックログは少なくとも2分間、5ポイント以上の連続したものをスタートセクターの前後に残さなければならない。
・トラックログは時間のデーターが残っている有効なものでなければならない
・連続したトラックログは20秒以下の間隔の連続したものが望ましい
4.24 GPSソフトウエア
GPSのデータのコンピューターへの取りこみは、JHF競技委員会で認められたソフトウェアーで行われる。そのソフトウエアー では、選手の飛行位置とその時刻を判定する。スタート時刻、ゴール時刻は、その前後の位置にある連続したトラックログから算出される。
このソフトウエアーでは次の事項が判定される
・スタートの時刻
・シリンダーセクターをクロスした時刻
・ランディング地点
・ゴール到着時刻
・飛行中のベストポジションの判断(ランディング地点よりも目的地に近い座標をベストポジションとする)
・決められた時刻の飛行位置の特定(飛行中にタスクストップがかかった場合)
4.25 GPS判定の基準
スタートラインをクロスした証明、ターンポイントセクターに入った証明は次に挙けるようなトラックログが残っていなければ ならない。
・通常のシリンダーセクターの中に残るポジション
・スタートラインをはさんだ連続した2個のポジション
・MARKされたポジションは証明には使わない
・RACE TO GOALのタスクの場合スタート時刻には5秒の誤差を認める
4.26 トラックログの義務
飛行空域に制限がある場合は、GPSのトラックログでその空域への侵入を判断する。その場合はその日の飛行全体を連続された トラックログで記録する義務がある。
4.27 GPSの操作方法の習得義務
・パイロットはバックアップ用に複数のGPSやデータロガーを同時に使用しても良い
・一連のフライトは一つのGPS又はデー夕ロガーに記録されていなければならない
・一連のフライトが複数のGPSやデータロガーにまたがっていてはいけない
・パイロットはGPSとデータロガーを正しいパラメーターにセットしなければならない
・パイロットは前のタスクのデータを成績が確定するまで消去してはならない
・GPSが正しく作動しなかった場合はパイロットの責任である
・トラックログが取れなかった場合はパイロットの責任である
・提出したトラックログで正しく判定されなかった場合は、別のトラックログを提出することができる。ただし、そのトラック ログを記録したGPSやデータロガーの製造シリアル番号は事前に大会主催者に届け出たものでなければならない。
4.28 不正確なGPSトラックログのペナルティー

スタートポイントのミス

0スコアー
連続したトラックログが要求されていて トラックログが連続していない場合ベストポジションを取り、距離得点が与えられる
ターンポイントのミスベストポジションを取り、距離得点が与えられる
ランディング後にGPSのトラックログを記録 しつづけて移動するなどの行為によりベスト ポジションの検出が不可能となった場合ランディング直前のターンポイントまでの距離が フライト距離となる